羽毛仕立て替え・打ち直し

当店にAさんが来店されたのは3ヶ月前です。羽毛ふとんの仕立て替えをホームページでご覧頂き、「この店なら信用できそう」と一言頂きました。この時はお褒め頂いた嬉しさでお客様の真意までは理解することができませんでした。一通り仕立て替えの説明をさせて頂き、羽毛を拝見させて頂く日程を決めて、その日はお帰り頂きました。後日、ご自宅を訪問するとダブル冬掛け羽毛ふとん、ダブル肌掛羽毛ふとんをお出しされました。お客様のご希望は冬掛け羽毛ふとんのシングサイズか、合掛け羽毛ふとんのシングルサイズを2枚か、でした。ダブルサイズの冬掛けを仕立替えするのは、とても有意義ですが、ダブルサイズの肌掛を仕立て替えするのは不経済で有意義とは言いにくいのです。なぜなら、仕立て替えには羽毛ふとんを解体し、洗浄する解体洗浄料というものがあります。それだけの料金を払っても その羽毛ふとんから採れる羽毛の量は十分に値打ちがあるからなのです。しかし、肌掛けは、元々の羽毛量が少なく、解体洗浄することによる目減り分、最終的に採れる羽毛量の値打ちで考えると非常に不経済と考えられる為、基本的にお客様には その旨をお伝えし、お断りしていました。もちろん、今でもそうです。しかし、お客様は「それでもいいから、仕立て替えをして欲しい」とおっしゃるのです。「どうして そこまでするのですか?」とお尋ねすると、「亡くなった息子と一緒に使っていた羽毛ふとんなんです」…と。まだ お若い奥様でしたので お子様も幼くに亡くなられたんだと察すると同じ子を持つ親として「誠心誠意させて頂きます」の一言でした。 しかし、羽毛の肌ふとんを利用して仕立て替えをしてくれるメーカーは非常に少なく、メーカーによって価格も出来ることも出来ないことも様々なのです。ですから、当店は5社ほどの仕立替えメーカーと取り引きをし、お客様の様々なご要望に最適に対応できるメーカー、仕立替えプランをご提示させて頂いております。この事例に対応できるメーカーもお客様の真意を理解し、きっちりと綺麗な羽毛ふとんに仕上げてくれていました。 お客様にも非常に喜んで頂き、また、思い出と共に大切に使って頂ければと思います。「このお店なら信用できそう」、その意味がわかった素敵な思い出の仕立て替えでした。